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運動は思っている以上に体にいい

2018.09.01

ある駅でホーム階から改札階へ階段を上っていると、一段一段に数字が書かれているのが目に入りました。何かと思えば、「消費カロリー」でした。

階段を1段上ると、0.1キロカロリーの消費に。

すべての階段を上りきったところには「3.4キロカロリー消費 お疲れさまでした」の文字がありました。

 

最近、運動が心身に与える効能、あるいは動かないこと、歩かないことの弊害に関するエビデンス(科学的根拠)が次々と発見され、報告されています。

 

運動をする人はテロメアが長い

たとえば、ノーベル医学生理学賞を受賞したエリザベス・ブラックバーン氏と、エリッサ・エペル氏の共著『テロメア・エフェクト』では、染色体の先端部分にあり、寿命を司ると言われる「テロメア」を守る方法として、真っ先に運動が挙げられています。

 

テロメアは、細胞の核の中にある染色体の先端部分で、DNAの束を保護するキャップのようなもの。これが、細胞分裂のたびに短くなり、「細胞の老化の速度を決定し、さらにそれをもとに細胞の死期が決定される」ことがわかっていました。ところが、ブラックバーン氏らの研究で、テロメアは加齢とともに短くなるだけではなく、伸びることもあると、わかってきたのです。

『テロメア・エフェクト』では、「運動をする人のテロメアは、しない人に比べて長い」「運動は、細胞内のクリーンアップ・クルーに活力を与え、そのおかげで細胞内に分子のゴミが堆積しなくなる」「運動をすれば、ストレスによるテロメアの短縮を防ぐことができる」といった事実が紹介されています。

 

座って過ごす時間が長いと、死亡リスクが高まる

また、座りっぱなしの生活は寿命を縮める、という話も最近よく耳にします。

オーストラリアで行われたある研究では、45歳以上のオーストラリア人、22万人を対象に3年近く追跡調査を行ったところ、座っている時間が「1日11時間以上」だった人たちは、「1日4時間」の人たちに比べて、死亡リスクが40%も高かったそうです。

 

ちなみに、前述の『テロメア・エフェクト』では、「複数の研究から、座ってばかりいる人のテロメアが、少しでも運動をする人に比べて短いことが確認されている」とも指摘されています。

 

知ることも大事

運動が健康にいい、座りっぱなしの生活はよくない――。

なんとなく、わかってはいることです。

でも、具体的な効能、弊害を知ると、「動こう」「座りっぱなしはやめよう」というモチベーションが高まりませんか?

駅の階段に消費カロリーが書いてあるだけで、「歩こう」と前向きな気持ちになれるように、「知る」ことも大事なことだと思います。

そして、いくつになっても、その年なりに動ける、歩ける体を維持することも大切です。

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