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子どもの感染症「ヘルパンギーナ」が増えています

2023.07.01

梅雨から夏にかけて子どもがかかりやすい感染症を「夏風邪」といいますが、夏風邪の代表である「ヘルパンギーナ」の感染が増えています。

過去5年に比べてヘルパンギーナが急増

下のグラフは国立感染症研究所が発表しているもので、棒グラフが今年の動向で、赤いグラフを超えているときには過去5年間に比べてかなり多いことを示します。
ヘルパンギーナは毎年夏に増えるものの、今年は例年以上に多いことがわかります。


国立感染症研究所「IDWR 感染症週報」2023年第23週より
http://www.medical-brian.com/koshigaya/

ヘルパンギーナとはどんな病気?

ヘルパンギーナとは、乳幼児を中心に夏に流行するウイルス性の感染症です。
5歳以下が患者の9割以上を占め、なかでも1歳で発症することが最も多く、年齢が上がるにつれてかかりにくくなります。

ヘルパンギーナのもっとも特徴的な症状は、口の中にできる水疱性の発疹(水ぶくれ)です。これは、一般の風邪ではみられることはありません。
そのほか、発熱や喉の痛み、口や喉の粘膜の赤みなども伴います。

もしもヘルパンギーナになったら?

ヘルパンギーナに効く特効薬はありません。治療は、症状を和らげる対症療法になります。
ただ、ほとんどの場合、高熱は2、3日で自然に引き、やや遅れて水ぶくれも自然に治っていきます。
その際、口の中の水ぶくれによって食事をとりづらいことがあるため、刺激の強いものは避けて、プリンやゼリー、熱くないスープやおかゆなど、喉ごしのよいものにしましょう。
また、脱水にならないように気をつけることも大切です。口の中に水ぶくれがあると、どうしても食欲が減って、水分の摂取も減りがちです。食欲がなくても、子ども用のイオン飲料や経口補水液などで水分をこまめにとるようにしてあげてください。

病院に連れていくべき?

ヘルパンギーナに対する根本治療はないので、症状が重くなければ自宅療養で大丈夫です。ほとんどのケースでは、こまめに水分をとりながら、安静にし、解熱剤などを服用すれば、数日間で回復に向かいます。
ただ、高熱が続く、頭痛や嘔吐、けいれんなどがある、水分がとれないといった場合には小児科(子どもの場合)を受診しましょう。

ヘルパンギーナを予防するには?

予防法を知るには、まずはヘルパンギーナの感染経路を知りましょう。
ヘルパンギーナの主な感染経路は、接触感染と飛沫感染です。
接触感染は、水疱の内容物や便に排出されたウイルスが手などにつき、口や目などの粘膜に入って感染するというもの。一方、飛沫感染は、咳やくしゃみに含まれるウイルスによって感染するものです。

ヘルパンギーナに有効なワクチンはありません。そのため、接触感染と飛沫感染を防ぐことが予防になります。つまりは、どんな感染症も同じですが、手洗い・うがいです。
外から帰った後や食事の前、トイレの後、おむつをさわったあとなどにはしっかり手を洗いましょう。

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